うなじと眉毛の脱色は危険がいっぱいです。

現在は眉毛の脱色をする人が多くなってきており、その眉毛の脱色から機転を利かし、うなじ(襟足)も脱色すれば、目立たなくなるんじゃないかと考えている人がいます。

発想自体は素晴らしいものですし、検討する価値はあると思います。

しかし、脱色の仕組みを詳しく知ると脱色はうなじと眉毛には向いていないことがわかります。

今回はうなじと眉毛という部位が脱色に向いていない理由を説明したいと思います。

「脱色」という言葉から知ろう

日本で脱色はブリーチと同じ意味を持ちます。

ブリーチは英語に戻すとbleach(ブリーチ)であり、日本語訳は漂白です。

まずこの段階で肌によくないことがわかります。

よく髪の毛をブリーチしすぎることは肌によくないと言われていますよね。

脱色とブリーチは同じ意味を持つので、つまり脱色(ブリーチ)しすぎることも肌によくないのです。

では、なぜブリーチは肌によくないといわれているのでしょうか。

みかさんみかさん

ブリーチ(脱色)の仕組みから解説するわよ!

ブリーチ(脱色)の仕組み

まずブリーチとヘアカラーを同じものとして捉える人も多いと思いますが、

ブリーチ=色素を抜く、ヘアカラー=色素を入れる。

という全く逆のことをしています。

そしてブリーチで色を抜く仕組みは以下のフローのとおりです。

【ブリーチの仕組み】

  1. 1剤のアルカリ剤と2剤の酸化剤(過酸化水素水)を混ぜる

  2. 1剤と2剤を髪の毛に塗る

    1剤は髪の毛の外側のキューティクルを開かせる働きがあります。
    2剤は先程1剤で開いたキューティクルの内側に1剤と一緒に入っていくことで色を作っているメラニン色素を分解し、色を抜いています。

  3. 時間がたつほど色が抜ける仕組み

    メラニン色素には黒色系の色を作っているユーメラニンと赤黄系の色を作っているフェオメラニンがあります。
    そして、先に黒色を作っているユーメラニンが抜け、次に時間とともに赤黄系の色を作っているフェオメラニンが抜けていくため、時間がたつごとに毛の色は薄くなります。

  4. 好みの色になれば、髪を洗い流し脱色完了。

上記の流れでブリーチ(脱色)が完了しています。

例として分かりやすく髪の毛を挙げましたが、眉毛でもうなじ(襟足)でも仕組みは同じになります。

では次にブリーチ(脱色)のメリット・デメリットをうなじ・眉毛・髪の毛の部位別にすべて解説します。

ブリーチ(脱色)のメリット

うなじ脱色のメリット
  • うなじの毛が目立たなくなる
眉毛脱色のメリット
  • イメージチェンジができる
  • 眉毛の化粧にかける時間が少なくなる
髪の毛脱色のメリット
  • イメージチェンジができる

うなじのメリットに関してはイメージが変わるわけではなく、ただ単に目立たなくするだけです。

髪の毛を染めるメリットとしては「イメージチェンジができる」と一つだけでくくってしまっていますが、髪の毛の色が変われば、人によってはきれいに見えたり、新しい自分を発見できたりすることで毎日が楽しい気持ちで迎えられたりもします。

眉毛に関しては眉マスカラなどを使用していた人は化粧時間の短縮ができるでしょう。

ブリーチ(脱色)のデメリット

うなじ脱色のデメリット
  • 肌にダメージを与えてしまう
  • コストがかかる
  • 定期的な(約1~3ヶ月に1回)メンテナンスが必要
眉毛脱色のデメリット
  • 肌にダメージを与えてしまう
  • コストがかかる
  • 不自然に見える可能性がある
  • 定期的な(1~2ヶ月に1回)メンテナンスが必要
髪の毛脱色のデメリット
  • 頭皮にダメージを与えてしまう
  • コストがかかる
  • 髪が痛みやすくなる
  • ヘアカラーの戻りが早い
  • 定期的な(2~6ヶ月に1回)メンテナンスが必要

以上のうなじ・眉毛・髪の毛のデメリットで共通しているのは肌にダメージを与えてしまう、コストがかかる、定期的なメンテナンスが必要という3つですが、コストがかかる点と定期的なメンテナンスが必要な理由に関しては説明不要かと思います。

ちなみにそれぞれ定期的の期間が違うのは毛周期があるからです。

髪の毛の毛周期に関しては3~6年ほどの期間がありますが、髪の毛の根元の色が元色に戻ってきて(プリン状態)、再度染め直す人がほとんどなので、2~6か月ごとにメンテナンスが必要となります。

では脱色が肌にダメージを与えてしまう理由は何なのでしょうか。

脱色が肌にダメージを与えてしまう理由

そもそも脱色剤は刺激の強い薬品です。

脱色剤には以下の薬品が入っています。

  • 過酸化水素水=漂白剤・殺菌剤に使用される
  • アンモニア=冷却材などに使われる(毒性あり)

上記2つの薬品を見るだけで肌や頭皮によくないことは明確です。

髪の毛を染めるということ=過酸化水素水とアンモニアを髪の毛に塗りたくるということなのです。

髪の毛を脱色したことがある人はご存知だと思いますが、脱色した後髪の毛が細くなったり、ゴワついたり、かゆくなったりと多少の変化があったと思います。

脱色剤には過酸化水素水とアンモニアが入っていることによって肌にダメージを与えてしまうのです。

さらにいうとうなじと眉毛は髪の毛より肌のダメージが大きくなります。

うなじ・眉毛脱色は肌ダメージが大きい理由

結論から申し上げますと、

  • うなじは毛が密集していないから
  • 眉毛は毛が短いから

です。

まずうなじですが、うなじは髪の毛ほど毛が長く、密集していません。

毛が密集していない部位ほど、脱色剤は直接肌につく可能性は高くなるため肌ダメージが大きくなるのです。

そして眉毛は髪の毛やうなじより毛が短いです。

毛が短いということは脱色剤が垂れてきて直接肌につく可能性は高くなるので肌ダメージが大きくなります。

このように髪の毛より、うなじと眉毛のほうが肌ダメージが大きくなるのです。

ここまでは単に肌ダメージという言葉で表現していますが、肌ダメージは以下のような結果になる可能性があります。

肌ダメージによって表れる症状
  • 湿疹
  • 水ぶくれ
  • 抜け毛
  • カサブタ

そしてさらにうなじと眉毛に脱色剤を使わないほうがいい理由があります。

うなじと眉毛の脱色をおすすめしない理由

うなじを脱色しようとする前にどうすればうなじを脱色せず済むかを考えたときに、脱毛があります。

おそらくうなじを脱色したい理由はうなじの毛を目立たせたくないからでしょう。

目立たせたくないなら、永久脱毛して生えてこないようにすればいいのです。

永久脱毛にはお金がかかりますが、うなじだけであれば確実に3万円以内で永久脱毛することが可能です。

3万円は高額に思えるかもしれませんが、肌へのダメージと脱色剤のランニングコストを考えれば明らかに脱毛するほうがお得です。

では次に眉毛の脱色ですが、眉毛を脱色せずに済む方法は1つあります。

眉毛に関しては目立たせないようにしたいというよりは明るい印象にしたいかあるいは、髪の毛と同じ色にしたいなどの理由だと思います。

なので、脱毛ではなく、眉マスカラなどの化粧品を使用するのがベストかと思います。

少々面倒に感じるかもしれませんが、眉毛は一度抜けて生え変わるまでは2~3か月かかるといわれているので、脱色のペースとしては1~2か月に1回は脱色しないと色がまばらな眉毛になってしまいます

そして眉毛の脱色を繰り返し、肌ダメージが蓄積されるとまぶたが早い段階から垂れてくる可能性が高くなります。

まぶたの皮膚が垂れると年齢より老けて見えてしまいます。

さすがに一度や二度三度ではまぶたは垂れませんが、蓄積されることで明らかに脱色していない人より垂れるのは早くなります。

なので、眉毛の色を変えたいという人は眉マスカラなどの化粧品を使うことをおすすめします。

まぶたと眉毛に関しては脱色をおすすめしませんが、髪の毛に関しての脱色は仕方がないものだと思います。

髪の毛の脱色は仕方ない理由

髪の毛に関しては脱色(ブリーチ)やヘアカラー以外に色を変える手段がありません

そして、ヘアカラーで色を染めようとするときも一度ブリーチするほうが毛は染まりやすくなります。

ヘアカラーだけで思ったとおりの色にしようとしてもなかなか思うとおりの色ならないことが多いですよね。

思ったとおりの色にならないからと言って、何度もヘアカラーするよりは一度ブリーチしたほうが色もきれいに染まりますし、ダメージも少なくなるからです。

髪の毛の色を変えようと思った時はブリーチかヘアカラーしか手段がないため、髪の毛のブリーチに関しては仕方ないのです。