🔍 永久脱毛とは?その定義を解説
✅ AEAの定義(米国電気脱毛協会)
AEAでは、「最終脱毛から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下」であれば「永久脱毛」と認められると定義されています。
ただし、この定義は電気(ニードル)脱毛に基づいており、AEAは電気脱毛が唯一の「永久脱毛法」であると位置づけています。
✅ FDAの定義(米国食品医薬品局)
FDAは「Permanent Hair Reduction(永久的な毛の減少)」を「施術後、6ヶ月・9ヶ月・12ヶ月経時点で再発毛数が安定的に減少していること」と定義しています。
つまり、FDAはレーザー脱毛に対して「永久脱毛」ではなく 「永久減毛」 の評価を行っています。電気脱毛(ニードル脱毛)はFDA上でも唯一「永久脱毛」と認められています。
✅ 永久脱毛は可能か?専門的結論
脱毛方式 | 永久脱毛の定義に該当するか | 実現できる効果 |
---|---|---|
ニードル脱毛 | ✅ はい(AEA/FDAが認定) | 最終照射後1ヶ月の再生率が20%以下を目標とする実質的な「永久脱毛」 |
医療レーザー脱毛 | 🔺FDA上の定義では永久減毛 | 毛量を80〜95%削減し、長期的に維持できる「永久減毛」 |
光脱毛(IPL) | ❌ 不可 | 減毛効果はあるが永久性は低く、再照射やメンテナンスが必要 |
🧬 なぜ「永久脱毛は100%無毛」とは言えないのか?
- ホルモンの乱れや加齢 → 男性ホルモンの増加や加齢で新たな毛が生えてくる可能性があります
- 毛周期の個人差 → 実は1回で効果ある毛(成長期)は15~25%程度で、残りの毛があとから成長期に入ります
- 打ち漏れ・施術者によるムラ → 照射が不十分な部位や照射ミスがあると毛が再生する可能性あり
そのため、多くのクリニックでは「永久脱毛はできない」と断言する一方で、「ほぼ99%生えない状態にできる」と説明されます。
⚙️ 永久脱毛(ニードル)と医療レーザー脱毛の仕組み
- ニードル脱毛
1本ずつ毛穴に絶縁針を刺し、電気を流して発毛組織を破壊 → 完全に毛が再生しないようにする方式。AEA・FDAともに「永久脱毛」として認定されています。 - 医療レーザー脱毛
毛のメラニンに反応する高出力レーザーで熱破壊または蓄熱(バルジ領域)を行い、毛母細胞にダメージを与える方法。FDA上は「永久減毛」に該当しますが、多くのクリニックでは72%〜95%の毛が減少し、長期維持されるとされています。
永久脱毛の仕組みは?
永久脱毛は、光脱毛・レーザー(電気)脱毛・医療レーザー脱毛のいずれも毛根を焼き切ることで毛が生えてこないようにしています。
仕組みとしてはまず、「毛周期」と呼ばれる毛が生えてくるまでの3つの期間(成長期、退行期、休止期)があります。

照射後は必ずこの3つの期間を通りますが、照射して脱毛効果があるのは成長期の毛のみです。
つまり照射後は退行期、休止期が過ぎるのを待って、成長期になったタイミングで2回目の照射をする必要があるのです。

じゃあ照射後に退行期と休止期が過ぎて、次に成長期が来るまでどれくらい期間をあければいいの?
毛周期には個人差があり、さらに部位ごとに毛の太さや成長スピードも異なるため、最適な照射タイミングを正確に見極めることは非常に困難です。
そのため、多くの脱毛サロンや医療脱毛クリニックでは、「次回の照射は2か月以降を目安にご来院ください」と案内しています。
✅ なぜ「2か月以降」が推奨されるのか?
実際に医師に確認したところ、下記のような説明をされることが多いようです。
「2か月以内では毛が十分に生えそろっておらず、成長期の毛が少ない可能性があるため、効果的な照射が難しいからです」
「脱毛前と同じくらいの毛量に戻った状態で照射を行うのが、最も効率的です」
そのため「2か月」はあくまで平均的な目安であり、実際には毛の成長具合を自身で観察し、十分に生えそろったと感じてから照射を受けるのが理想です。



自身の体験でも、2か月後には毛がしっかり生えそろっていました。
✅ 回数が進むと照射間隔も変わる
医師によると、毛が薄くなるにつれて毛周期も伸びるため、間隔を長めに取ることで、より多くの毛が成長期に入った状態で照射できるようになります。
「施術回数が4回目以降になると、毛量がかなり減っているため、照射の間隔は3か月以上あけるようにしてください」
1回の照射で永久脱毛はできないのか?
見えている成長期の毛は15%~25%と言われているので1回の照射で効果があるのは15%~25%になります。



15%~25%が抜け落ちた後に残っている75%~85%の中から15%~25%が成長期として生えてくるというイメージです。
この残っている毛をほぼ0%にすれば脱毛完了です。
光脱毛で永久脱毛は可能?
光脱毛は医療レーザー脱毛より照射のパワーが劣るため永久脱毛は難しいといわれています。
光脱毛をする脱毛サロンは医療機関ではないため、永久脱毛とは言えなくなっています。
しかし、回数を重ねることで、9割以上の毛が生えてこなくなったり、残り1割は非常に薄い毛で生えてきたりします。



脱毛サロンやエステ脱毛は「減毛」を目的と捉えておくと良いでしょう。
医療レーザー脱毛で永久脱毛は可能?
ほぼ(99%以上)生えてこないという範囲の永久脱毛が可能です。
医療レーザー脱毛は医療機関でしか行えないので脱毛サロン(エステ)で行うと違法です。



照射パワーが高い分、回数を重ねることで永久脱毛が可能ですし、私はやけどしたことはありません。
医療レーザーで永久脱毛を目指すなら、高い脱毛効果で美肌を期待できると人気の「ジェントルマックスプロ」がおすすめです。
ジェントルマックスプロについて、詳しく知りたい方は、こちらの記事で確認できます。


ニードル脱毛(電気)で永久脱毛は可能?
ほぼ(99%以上)生えてこないという範囲の永久脱毛が可能です。
ニードル脱毛は医療レーザー脱毛と違って1本1本毛の処理をしていきます。
1本1本丁寧に狙いを定めて施術するため効果は確実で施術した毛はほぼ100%生えてこないと言われています。
しかし毛の状態やホルモンバランスの乱れによって他の部分から毛が生えてくる可能性があります。
部位別:医療レーザー脱毛 回数・期間の目安
部位ごとの必要施術回数と期間を整理した早見表です。全身を含む一般的な目安値を掲載しています。
部位 | 効果実感(自己処理快適) | ツルツル状態を目指す | 推奨施術回数 | 施術間隔の目安 |
---|---|---|---|---|
顔・産毛 | 約3回 | 約8〜10回以上 | 6~10回/10回以上 | 1〜2ヶ月ごと |
ヒゲ | 6〜10回程度で自己処理が楽になる | ツルツル目安は10回以上 | 8~12回程度 | 2〜3ヶ月ごと |
ワキ | 自己処理快適=3〜5回 | ツルツル=5回以上 | 3〜8回 | 2〜3ヶ月ごと |
胸・背中・腹 | 自己処理快適=5〜7回 | ツルツル=8〜12回 | 5〜9回 | 2〜3ヶ月ごと |
脚・腕 | 3〜5回 | 8〜10回程度 | 3〜5回 | 1.5〜2ヶ月ごと |
VIO | 約5〜8回で効果実感 | 8回以上 | 5〜8回 | 1.5〜2ヶ月ごと |
➡ 目安:全身(顔+VIO含む)は5〜8回で自己処理が楽になり、8〜12回前後でツルツル状態に近づきます。
脱毛効果について、詳しく知りたい方は以下の記事で確認してください。


🚨 実際のトラブル事例と注意ポイント
最新の公的機関による相談データをもとに、具体的トラブル事例と防止策をまとめています。
資料参照:国民生活センター・厚労省など
- 2023年度:美容医療サービスの相談件数は約6,000件、2024年9月時点でも2,300件超
- 脱毛施術関連では、医療機関よりもエステ・サロンの件数が多く、無資格者による施術、やけど、契約トラブルも報告されています
- 2024年:医療脱毛クリニックが突然閉院し、未施術分の返金トラブルが発生。国民生活センターが公表
⚠️ トラブル事例と対策まとめ
トラブル内容 | 発生例 | 防止策・改善方法 |
---|---|---|
契約トラブル(高額契約・勧誘) | 割引広告を過信して契約 | 書面確認・不明点は断る、クーリングオフの制度確認 |
中途解約時の返金トラブル | 回数制限付きプランの「無償期間」が返金対象外 | 契約前に中途解約条件を確認、書面保存 |
クリニック閉院による未施術 | 医療ローン残債があるのに返金が拒否された例 | 信頼性ある大手・定評付きクリニック選び、返金保証確認 |
無資格者による施術 | 医師不在で看護師以外がレーザー照射 | 医療機関かどうか、事前に確認 |
脱毛方式別|照射回数ごとの毛の減少率目安【比較表】
光脱毛、医療レーザー脱毛、ニードル脱毛はそれぞれ特徴があるため、通院回数と施術回数が異なります。
下記の比較表で確認してみましょう。
照射回数 | 光脱毛(エステ) | 医療レーザー脱毛 | ニードル脱毛(電気脱毛) |
---|---|---|---|
1回目 | 約10〜20%減毛 | 約15〜25%減毛 | 照射部位の毛はほぼ100%処理(1本単位) |
3回目 | 約30〜40%減毛 | 約50〜60%減毛 | 部分的に自己処理が不要に |
5回目 | 約50〜60%減毛 | 約70〜85%減毛 | 見た目の変化が明確に現れる |
6回目 | 約60〜70%減毛 | 約90%減毛 | 処理済み部位は完全にツルツルに近い状態 |
8回目 | 約80%前後減毛 | 約95%以上減毛 | 希望部位ごとにほぼ完了 |
10回目以降 | 約90%前後減毛 | ほぼ完了(メンテ) | 微調整・メンテナンスのみでOK |
📝 ポイント
- 光脱毛(IPLなど):照射出力が弱く、減毛スピードはゆるやか。完全にツルツルになるには10回以上が目安。
- 医療レーザー脱毛:出力が高く、5〜8回で大半の毛が処理可能。毛が薄くなってからは3ヶ月以上の間隔推奨。
- ニードル脱毛(針脱毛):成長期に限らず1本ずつ処理できるため、施術した毛はその場で生えなくなる。時間とコストはかかるが唯一の「永久脱毛」。
部位別×脱毛方式|ツルツルになるまでの回数目安【比較表】
部位によって毛質や毛の濃さが変わるので永久脱毛にかかる施術回数が異なります。つまり腕が6回で脱毛が完了したから、VIOラインも6回で脱毛が完了するというわけではないのです。
基本的にはVIOラインやワキなどの濃い毛ほど脱毛回数はかかります。
部位 | 光脱毛(エステ脱毛) | 医療レーザー脱毛 | ニードル脱毛(電気脱毛) |
---|---|---|---|
顔(産毛) | 12~18回 | 8~12回 | 10~15回(時間がかかる) |
ヒゲ(男性) | 15~20回 | 10~15回 | 15回以上(密度・痛みに注意) |
ワキ | 6~10回 | 5~8回 | 5~8回 |
腕(ひじ上・下) | 8~12回 | 5~7回 | 6~8回 |
脚(ひざ上・下) | 8~12回 | 5~7回 | 6~8回 |
背中・うなじ | 10~15回 | 6~8回 | 8~10回 |
VIO | 10~15回 | 6~8回 | 8~10回(痛みに注意) |
- 光脱毛(IPL・SSC)
- 出力が弱く、照射可能範囲は広いが減毛ペースは緩やか
- 産毛や剛毛の部位は特に回数が多く必要
- 医療レーザー脱毛
- 高出力で短期間に効果を実感しやすい
- VIOやワキなどの濃い毛にも◎
- ニードル脱毛(針脱毛)
- 毛1本ずつ処理するため確実性は最も高いが、産毛は時間・費用ともにかかる
- 日焼け肌・白髪にも唯一対応できる方式
回数の違いが出る理由
- 毛質・密度の差:ヒゲやVIOなどは毛が太く密集しているため、回数が多くなりやすい。
- 毛周期の影響:部位によって成長期の割合が異なるため、効果的な照射タイミングも変わる。
- 照射範囲と出力の差:光脱毛は一度に広く照射できる反面、出力が低く深部へのアプローチが弱め。
理由①熱量の調整が難しい
ニードル脱毛の場合、太い毛ほど熱量は少なく、細い毛ほど熱量を上げなくてはなりませんが、肌トラブルを起こさない範囲でかつ産毛を脱毛するのはかなり難しいのです。
理由②産毛には効果のない脱毛をしている
毛は細ければ細いほど、毛周期が遅いのですが、毛が生えそろったと思って脱毛に行っても実際に生えていたのは太い毛のみで細い毛(産毛)は毛周期が遅いので生えてなかったりします。
先程説明した通り、脱毛効果があるのは成長期の毛のみなので、毛周期の遅い産毛には効いていないことがあり、結果的に施術回数が多くなってしまうのです。
💡 永久脱毛したのに毛が生えてくるのはなぜ?原因と対策を徹底解説!
「永久脱毛したのにまた毛が生えてきた…」
実はこれはよくある現象であり、いくつかの明確な原因と対策があります。
✅ 永久脱毛後に毛が生えてくる主な原因
原因 | 内容の概要 |
---|---|
❶ 打ち漏れ・照射ミス | 一部の毛にレーザーが当たっていない、または出力が不十分だった |
❷ 毛周期のズレ | 成長期でない毛には照射効果がないため見逃されている |
❸ ホルモンバランスの乱れ | 新たな毛が生えてくる内的要因(加齢・ストレス・生活習慣) |
❹ 新たに発毛した毛包が活性化 | 成長途中でまだ存在しなかった毛が後から出現することも |
🔍 原因ごとの詳しい解説と改善策
❶ 打ち漏れ or 出力不足による効果不良
- 原因:施術者の照射技術不足、マシンの出力設定が弱すぎた場合に起こる。
- 改善策:
- 実績豊富で信頼できる医療機関を選ぶ。
- 打ち漏れ保証や再照射制度があるクリニックを選択する。
- 初回カウンセリング時に「照射技術は誰が担当するのか」などを確認。
❷ 毛周期のズレによる未照射
- 原因:毛には「成長期・退行期・休止期」があり、脱毛効果があるのは成長期の毛のみ。この毛周期は個人差・部位差が大きく、見極めは困難。
- 改善策:
- 「2ヶ月後に再来院」という案内はあくまで目安。毛が生えそろってから施術を受けるのがベスト。
- 鏡などで観察し、まだ十分に生えそろっていないと感じたら照射予約を延期する勇気も必要。
❸ ホルモンバランスの乱れによる発毛再活性化
- 原因:女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが乱れることで、毛の再生が起こる。
- 出産・更年期・ストレス・睡眠不足・過度なダイエットなどが要因。
- 改善策:
- 睡眠時間をしっかり確保する。
- 食生活(特に糖質・脂質の取りすぎ)を見直す。
- 適度な運動を取り入れて自律神経の乱れを予防。
- 必要であれば婦人科や内分泌科で相談する。
📝 まとめ:永久脱毛は「99%完了」で満足できる!
この記事では、永久脱毛は可能なのか、仕組みや何回でツルツルなるのかを解説しました。
脱毛機によって、永久脱毛の有無や回数は大きく異なります。そのため、自分が希望する脱毛効果で施術を受ける機関を選びましょう。
ワンポイントアドバイス
「毛が残ってる=失敗」ではない!
脱毛は長期的な視点で効果を実感するものです。焦らず、信頼できるクリニックと一緒に計画的に進めていきましょう。
医学出版:美容皮膚医学BEAUTY第27号(Vol.4 No.2, 2021)
林美保、古賀俊彦、古賀一雄、ほか : Nd-YAGレーザーの近赤外領域効果について-第1報-日本レーザー医学会誌6 (3) 163-166 1986
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会:日本レーザー医学会誌 31 (1), 53-60, 2009
医政医発第105号:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて
独立行政法人国民生活センター:なくならない脱毛施術による危害(発表情報)_国民生活センター
LIEW, Se Hwang. Laser hair removal: guidelines for management. American journal of clinical dermatology, 2002, 3: 107-115.
GAN, Stephanie D.; GRABER, Emmy M. Laser hair removal: a review. Dermatologic Surgery, 2013, 39.6: 823-838.
Anderson RR、Parrish J: 選択的光熱分解: パルス放射線の選択的吸収による精密な顕微手術、Science、220: 524-527.1983
日本皮膚科学会:美容医療診療指針
日本医学脱毛学会:脱毛を考えていらっしゃる患者さんへ